チンクェチェント

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チンクェチェント

チンクェチェント(Cinquecento)。

ご存知の方も多いですが、イタリア語で「500」の意味です。

Cinque(チンクエ)が「 5 」で、Cento(チェント)が「 100 」ね。

なので、フィアット500 = FIAT Cinquecento となります。



当初のネーミングこそ、排気量が500ccだから「フィアット500」となったのですが、途中からその意味合いが変わってしまいました。

新型フィアット500も排気量は1200ccと1300ccと1400ccですし。

フィアットの「500(チンクェチェント)」はもはや、モデル名あるいはブランド名になっています。

トヨタの「クラウン」とかみたいな。

わかりやすいのはホンダの「S2000」、日産の「180SX」でしょうか。

どちらも最初は排気量からのネーミングでしたが、2車ともマイナーチェンジで排気量アップしてます。しかし、車名はそのまま使われました。




ところで新型フィアット500は、何代目の「フィアット500」と思いますか?

2代目でしょ?

と思われる方が多いと思いますが、ジツは4代目なんです。

初代のフィアット500は1936年から1955年まで作られた小型車でした、愛称はその造詣から「トポリーノ(はつかねずみ)」と呼ばれたそうです。

水冷エンジンでFR駆動の500ccでした。500B、500Cなんて改良されたバリエーションもあったそうです。



初代フィアット500 (トポリーノ)



2代目のフィアット500は1957年から1977年まで作られた小型車で、これが広く知られているあのフィアット500になります。

空冷2気筒エンジンでRR駆動の500ccで、初代フィアット500と区別するため「NUOVA FIAT500」と称されました。

「NUOVA」は「新しい」という意味なので、「新フィアット500」となります。

長年作られたNUOVA500は、500D、500F、500L、500Rと、年代的に進化してきました。

特に最後の500Rでは排気量がそれまでの499ccから594ccへ拡大しています。



2代目フィアット500 (筆者号は500Fでした) 下段エンブレムが「NUOVA 500」



3代目のフィアット500は1991年から1998年まで生産された小型車になります。

特徴として「FIAT500」と表記されずに「FIAT CINQUECENTO」とアルファベットでの車名となりました。

ホンダ・S2000がホンダ・エスニセンと表記されるようなもんです。(笑)

このモデルは比較的最近のモデルですが、日本に正規輸入されなかったので案外知られていないモデルになります。

筆者的には何代か前のスズキ・アルトに似てると思ってます。(笑)

水冷エンジンでFF駆動の直線的なデザインの2ボックスコンパクトカーで、当時のフィアットのボトムカーでした。

フィアットのボトムカー、エントリーカーなので精神的な意味合いに「チンクェチェント」と名づけられたみたいです。

排気量は704cc、903cc、1100ccであり、「チンクェチェント・トロフェオ」と称したラリーモデルも存在していました。



3代目フィアット チンクェチェント(アバルト)
トロフェオの取扱い説明書(筆者のお宝)



そして2007年に復活した4代目のフィアット500です。

車名は単に「FIAT 500」とされています。



ここで困るのが各モデルの呼び方ですね。(笑)

初代フィアット500は「トポリーノ」という愛称がありましたから、「初代500」とか「トポリーノ」でいいでしょう。

もっとも、もう名を呼ぶことの無いぐらい古いモデルなので、たぶんそんなに困らないでしょうが。(笑)

2代目フィアット500の呼び名は、そのままの「フィアット500」、単に「ごひゃく」、「チンクェチェント」、これを略した「チンク」なんて呼ばれてました。

あるいは「ルパンのクルマ」とか。(笑)

NUOVAとありますが、あまり「新型フィアット500」とか「ニューフィアット500」とか「ニューチンクェチェント」とか「ニューチンク」とは呼ばれていないようです。

3代目もチンクェチェントです、言葉で差別するのが難しくなってきます。

そして4代目、これまたフィアット500なので、フィアット・チンクェチェントです。



呼び方に困りますね。

「俺、フィアット500を買ったぜ。」

と、聞いてどのモデルを想像するかは、聞いた本人にゆだねられてしまいます。(笑)

「チンクェチェントかい?」

「そうチンク。」

はたしてどのチンクを言っているのでしょうか???(笑)



クルマ雑誌を見ますと、「新型フィアット500」、「ニューフィアット500」、「ニューチンクェチェント」などと書かれていますが、これって2代目フィアット500も「新型」であり、「ニュー」なんですよね。

ひどい雑誌には「2代目フィアット500」なんてのもあります。

こりゃあ混乱しますね。(笑)



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